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地デジのコピーワンス

2003年12月スタートした地上波デジタルテレビジョン放送、通称「地デジ」は 2011年7月24日、アナログ放送から完全移行となります。

地デジの視聴者に対するメリットはいくつかあげられますが、その中でも高画質・高音質 になるということは、視聴者にとって大きな意味があると思います。

ここまで技術が進んできましたが、技術の飽くなき探求は、さらにキレイな画質、さらに いい音を求めてきました。より美しい画面となり、よりすばらしい音質になることによって 視聴者ももう一度その番組、コンテンツを見たいという願いが起こされ、その結果として コンテンツをコピーするようになります。

ところが近年著作権の問題も大きな問題として取り上げられるようになりました。違法 コピーをし、販売するという問題も後を絶ちません。

地デジ移行に関連して、よりキレイな映像や音声が実現するため、聴視者はさらにコンテンツ、番組を録画するようになるでしょう。 そこで、製作者や放送局などの著作権、コピーライトを守るために、地デジでは、コピーワンスと いう方法が取り入れられるようになりました。

コピーワンスとは、録画(コピー)を一度(ワンス)だけできるということです。コピー がたった一度しかできないように制御信号を付けて放送するというものです。

具体的にはどういうことでしょうか?

それは例えば、一度ハードディスクドライブ(HDD)に録画した番組(コンテンツ)を DVDなどにコピーしようとしてもできないということです。

しかし、HDDに録画したものをDVDなどに移動(ムーブ)させることはできます。ところが、 ムーブさせるときに障害が起こり、DVDにも移動させられなくなり、HDDの録画も失われて しまったということが起こり得るのです。すなわちコピーワンスでは同じ画質音質のバックアップ をとっておくことが事実上できないということなのです。

これは視聴者にとっては大変不利益なことです。ですから、見直しもなされています。

ダビング10

2005年から総務省はコピーワンスの問題点を関係者を交えて討議、検討してきました。

そこで2007年に提案されたのが、ダビング10という新しい考えです。

ダビング10とは、従来のコピーワンスと比べると視聴者に大きなメリットを与えます。

それは、コピー9回、ムーブ1回が許可されるというシステムだからです。

コピー9回とは家族3人がそれぞれ、3回ずつ同じ番組・コンテンツをダビングできるという 考え方から出てきたものだそうです。

これができるようになるとHDDに録画した番組・コンテンツをDVD、携帯電話、ipodや携帯 メディア・プレーヤーにコピーして楽しむことができるようになります。

しかし、ダビング10にも問題があって、すでに地デジ対応の録画機器を持っている場合、 それはコピーワンスに対応しているので、ダビング10が認められるようになると、また機器の 買い替えをしなければならないという問題が起こってくる可能性があるのです。

アナログ放送時代は、画質・音質は置いておくとしても、ダビング回数に制限はありませんでした。

しかし、地デジとなろうとしている時、録画・コピーの問題は、視聴者のメリットとしてはは ずいぶん後退したと言わざるを得ないでしょう。

著作権(コピーライト)と録画・コピーを楽しむということの問題は今後も話し合われていかなければ ならない大きな課題だと言えるでしょう。

EPN

コピーワンス、ダビング10について調べていくと「EPN」という用語に出会います。

実はこのEPNというのは、Encryption Plus Non-assertionの略で、「出力保護付きコピー無制限運用」 のことです。

コピーワンスはたった一度しか録画できませんので、ダビング10への移行は消費者にとっては歓迎 されるべきことですが、それでもCOG(Copy One generation)、一世代コピーの域を免れません。

しかしEPNは特定の受信機という制限はあるものの、自由にコピー、またhムーブをしても良いという ことなので、実質上はコピーワンスの対極になる考えであるといえます。

もともとこの問COGかはEPNはについて討議されてきたことです。しかし、放送事業者や権利者はEPNに反対の 姿勢を貫いています。

この反対の理由は日本のテレビ放送における画質の高さによります。デジタル放送の画質はマスター画像 に匹敵するほどであると言われています。

そして劣化しない映像をコピーし続け、販売されたとしたらどうなるのだろうかというのが彼らの意見 なのです。

しかしながら、この問題に取り組む電子情報技術産業協会(JEITA)は消費者の利益よりも、どうも製作者 また、権利者の権利保護を優先しているように思えてなりません。

2011年までそれほど残りの期間が多くはありませんが、地デジ完全移行までこの問題も含めて クリアしなければならないことを考えると、ぎりぎりまで買い控えようという動きがあっても不思議な ことではありません。

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