ラクトフェリンがダイエットに効果があるわけ
生まれたばかりの赤ちゃんが病気にかからないのは、お父さんお母さんならよく知っていることです。それには理由があります。その理由のひとつがラクトフェリンです。ラクトフェリンはお母さんの母乳の中に含まれます。特に生まれて一週間までの母乳にたくさん含まれるのです。
また、ほとんどの哺乳動物の乳にもラクトフェリンは含まれています。もちろんラクトフェリンの量はそれぞれの動物によって異なりますが。
人間の母乳にはたくさんのラクトフェリンが含まれています。生後一週間までの初乳と呼ばれるものの中には約6グラム、生後三週間までの常乳と呼ばれる乳の中には約2グラムのラクトフェリンが含まれています。
そして研究によってラクトフェリンには感染防衛成分が含まれていることが分かってきました。その中でもラクトフェリンがダイエットに有効であるというのです。ラクトフェリンはコレステロールの体内生成を抑え、体内での分解を加速するという働きをするのです。すなわちラクトフェリンにはダイエット効果があるということです。
ラクトフェリンダイエットの実験結果
マウスによるラクトフェリンダイエットの効果はすでに証明されています。実験では過剰に高コレステロールの飼料を与えたマウスにラクトフェリンを与えました。その上で血液中のコレステロールの量を調べたところ、コレステロールが高い飼料を与えられたのに、ラクトフェリンを与えられなかったマウスは通常に飼料で育てたマウスに比べてコレステロールはおおよそ13倍も多くなりました。
ところが一方、コレステロールの高い飼料をあたえられたマウスで、ラクトフェリンを与えられたマウスは、標準マウスに比べてコレステロールの値は標準のマウスに比べて約5.3倍に留まったのです。
この結果から分かることは、ラクトフェリンはコレステロールの量を半分に抑えることができる、すなわちダイエットに効果があるということです。
このラクトフェリンの効果のために、ラクトフェリンはメタボ対策、ダイエットに用いられ、その種のサプリや食品が開発されています。
ラクトフェリンにダイエット効果を見出した森永・ライオン
ラクトフェリンに以前から注目していたのは森永乳業です。森永乳業はもともと育児用ミルクを開発、販売していますので、1960年代の初めからラクトフェリンに目を向け、ラクトフェリンの研究を行ってきました。
また、1986年には、世界に先駆けてラクトフェリンが含まれた育児用ミルクを出しました。それ以降もラクトフェリンに注目し、いろいろな研究を進めています。
その成果には、抗菌ペプチドであるラクトフェリシンの発見、ラクトフェリンによる大腸がんの予防効果の発見があります。
また、ライオンは歯磨きで有名ですが、森永とは違った方向からラクトフェリンの効用を見出しました。
ライオンは歯周病に関する研究を行う中で、2006年に歯周病菌から出る歯周病の進行に関係する毒素LPSが、ラクトフェリンによって不活性化されることを確認しました。
そして、近年の研究で肥満度の高い人ほど歯周病になる率が高い傾向にも目をとめ、歯周病とメタボリック症候群との関係についても研究を続けています。
ライオンが見出したことは、ラクトフェリンは歯周病の予防とメタボ予防に効果があるということです。
ラクトフェリンの効果はまだまだ研究されています。さらなる驚くべき効果が発見されるかもしれません。